初旬に見積書が届き、その後、ネゴ交渉、予算を少し増額してもらい合意に至った。
以下、経緯を纏める
2006年1月末
不動産の購入の相談を受ける。会社のゲストハウスとして利用したいとのこと。場所は関西では超一級の高級住宅街。登記簿によると敷地面積は約600u。東側道路に面した細長い敷地。南側は隣地。奥の西側に雑木の小山が隣接している。北側は私道として約60uが取られており、一部北側の隣接地が接している。既存建物は全体で床面積100坪弱。増築を繰り返したようで、道路際に約30坪のRC造2階建て住宅と地下のガレージ。中央に約30坪の平屋、奥に約20坪の2階建ての木造。値段を聞いて安さにビックリ!と言っても、僕にはとても・・・現地を確認し、どのように改修していくか相談することにする。
2月初旬
現地確認。道路際のRC造の建物があまりにもみすぼらしい。建築主も同じ考えで、解体して夢のある建物を建て、中央、奥の木造部分は改修したらどうかという構想を相談する。予算は場所柄からして、新たな建物は坪100万円以上、改修部分はその半分くらいの予算を用意して欲しいとお願いする。構造は一任するとのこと。
2月中旬
購入契約立会。直ちに設計監理契約し、設計をスタートすることにする。
ニーズとしては、新しい建物は眺めのいい場所なので、内輪でパーティの出来るLDKと屋上、それに2寝室程度の個室とトイレ。改修部は続きの座敷の半分を撤去し、隣接する居間と合体し、大きな板間の広間を設け多人数が食事の出来るスペースとする。そこに大きな掘りごたつ2面。座敷は改修し、現状の8帖を10帖にする。奥の2階建て部分は2階にワンルームの畳敷きの寝室、下階は3人程度が入れる浴室、洗面所、トイレ、納戸。現状の大きな玄関は気に入っているので残して欲しい。また、解体後に敷地を整備して車をもう一台駐車できるスペースが欲しいとのこと。
3月初旬
既存建物を詳細に調査。一日目はあいにく雨。雨漏りが酷い。木造部分の瓦は葺き替えしなければならないだろう。床板を剥いで基礎を確認したり、小屋裏を這いずり廻り構造のチェック。平屋部分は一級の和風住宅だ。RC部分は国土ピーコンのPC版でちゃっちいし、空間が細かくて折角の眺めも考慮されていない建物。なんで、こんな建物を皆が建てるのか不思議だ。地下ガレージは現場製作のボックスカルバート。2台分のスペースがあり、壊すのは勿体無い。二日目はどピーカン!敷地のレベル測量が大変!外壁廻りを確認。その後、少し離れた道路から全体を小1時間眺める。地下ガレージはエントランスにして、全体の顔を作ろうと思う。
3月末
第1回プレゼンテーション。平面図と模型により説明。
地下ガレージはエントランスとして利用し、屋根のコンクリートを一部撤去し自然光を取り入れ庭と一体化する案にいたく感激される。基本的に了承される。予算書を同時に提出するが、概算すると約8千万円。5千万円くらいに絞って欲しいとのこと。若干の変更の要望。
4月末
第2回打合せ。基本設計完了。
建替え部分はコスト軽減のためにRC造から鉄骨造にし構造コストを押さえた。その他、既存の庭の再利用やオーダーキッチン等でコストダウンを計ることにし、予算は5500万円でお願いし、了承される。建替え部分のトイレは瞑想ができるようにベンチを設置して欲しいとの要望や、座敷前に大きなデッキの要望が出る。また、浴室にはバスコートを設け、裏の小山を借景することにする。ただ、3人が入れる大きな浴槽が寮とかで使う貧相なものしかみつからないことを伝える。それでも良いとのことだが・・・・。
6月初旬
役所への申請及び届け出を開始。各行政機関に数回行く。
6月末
実施設計完了
楽しみは、既存部分の壁に漆喰塗料を塗ることだ。今までは左官屋さんがコテで塗りつけるものだが、塗り厚大きくなって乾燥するときにどうしても収縮クラックが生じてしまう。それで補強材として樹脂材を一緒に混ぜたりしていたのだが、今回は塗装屋さんで施工可能な薄塗りの製品が開発された。そのことにより価格が半分以下になって、少し高めのビニールクロス程度。メーカーは大昔の酒屋さんで工事地と近接しているのでバックアップを入念にしてくれるとのこと。サンプルを貰って、一部に僕が塗ってみたが施工性もよく臭いも無いので充分使えそうだ。環境臭は充分に取ってくれると思う。現場で大量購入してもらった価格で一部を分けてもらって我が家のクロス壁に塗ってみるつもりだ。
7月初旬
・工務店4社に見積依頼。
図面及び見積要綱を当社HPにてPDF図面で配布する。昔は各社に時間指定して別々来てもらっていたので一日係りだったのだがインターネットの普及により、その手間が省ける。しかも図面を焼いておく手間もコストも省けるのである。インターネットさん有難う!である。
・各社の現地確認に立会。
各社時間指定して別々に現地に来てもらった。(一応、談合防止のため)
当社の調査の時に床板を剥いでそのままにしていたために、ある業者さんが改修部分をビデオ撮影していて、床の一部が無いのに気づかず誤まって床下に落下!まあ、擦り傷程度で済んだ模様で安心。工事現場で一番多いちょっとした高さによる落下事故だ。これで結構大きな事故になったりする。
・各社の見積上の質疑をメールにて受け付け回答s、全社に同じ条件にするために質疑回答書をHP上に公表する。
7月中旬
風致許可申請下りる。敷地の40%を緑地としなくてはならない。
7月末
確認申請完了
姉歯事件の影響で、通常の倍くらいの時間がかかる。単に時間をかけていただけのようにも思う。
8月初旬
・教育委員会文化財課の現地調査立会い
庭石の一部が大阪城築城時に掘り出された石としての形跡があるとのこと。文化財としての価値は低いようだが、出来るだけ庭石として再利用して欲しいとの要望。また、移動する場合は連絡して欲しいとのこと。石の裏面を見たいそうだ。当時の担当していた藩の刻印があったら、かなりの文化財級とのこと。
・各社見積が出揃う。見積書のチェック。
やはり、予算オーバーだ!しかし、心配するほどでも無さそう。と言っても2割程度の減額をしなくてはならない。建築主に見積状況を説明し、予算を200万円アップしてもらう。
8月中旬〜
最低見積業者とネゴ交渉。見積り額は6300万円。
内訳は 解体工事 400万円
建築工事 4100万円
設備工事 820万円
外構工事 680万円
諸経費 300万円
その他、家具製作は掘座卓製作、キッチン製作に300万円強。
予算は5700万円。
ネゴ交渉ネタ
・家具は減額しない旨伝える。
・設計変更を提示し、当方の予算への熱意を伝える。
1.階段を鉄骨から木造に変更 20万円減額
2.自然石積を石貼りに変更 100万円減額
3.樋の材料をステンレスから塩ビ材に変更 20万円減額
4.外壁の一部を仕様変更 50万円減額
5.屋上や階段の手摺のガラスを格子形状にする 35万円減額
6.ひのき浴槽をFRPのオーダー製作とする 85万円減額
7.デッキの床材をジャラ材からレッドシダーに変更 20万円減額
8.貯水タンク中止 30万円減額
危機管理の上で必要と主張していたものだが、またも断念。
また、金額的に見て見積書には圧送ポンプを計上していないと思われる。業者さんはホッとしただろう。
9.日除けテント中止 35万円減額
もともと、5.4mのはめ殺し窓を予定していたので直射日光は堪らないと思い設けたもの。電動作動し、また強風時に閉鎖するように風圧センサーがついていたりして高価な為に断念。ただ、実施設計では巨大な引き違い戸として設計しているので、テントと天秤にかけたら、窓は開く方が良いと判断した。しかも、この業者はサッシが安い!メリットは享受しよう!
10.地下ガレージ取り合いの構造を工夫する
11.バスコート塀FRPグレーチングをガラス張りとする
12.TVアンテナを中止し、ケーブルTVとする
全部で約400万円分強の設計変更。それに経費分を加算してネゴ交渉のネタとする。
その他、増額対象工事として
1.既存玄関に4枚のふすま設置
2.障子の桟構成の意匠を変更する
3.座敷〜広間に竪繁格子戸を4枚設ける
以上を踏まえて、各工事の予算を10%弱切り詰めるように、下請け業者と交渉するように指示し、予算に合えば契約する旨を伝え、その後、内合意してもらう。また、完工保証案を提示するように伝える。
本日
建築主に変更案の了承を受け、契約合意となる。
完工保証は銀行による金銭保証書を契約書に添付してもらうことにする。
9月6日に工事請負契約予定

