正月の同窓会で二人のリフォームの顛末を聞いた。
以前からこのことは聞いていたのだが、リフォームの世界は未熟な業界だと改めて感じさせられた。
一人は、大手住宅メーカーで建て、同社にリフォームを依頼したとのこと。結果は、家具の引出しが横のドア枠にぶつかって開かない、吊戸棚が照明器具に当たるとか、明らかに初歩的なミスが多ようだ。詳細な内容が不明なのだが基本的には既製品をセッティングすることが大部分の簡単な工事のようだ。ただ、インターフェースをつかさどる大工さんが相当にいいかげんだったようだ。大手メーカーにありがちな工事管理を他人任せにしたことが、トラぶった原因だと思える。僕が相談を受けた時は、工事も一応完了した時点で愚痴に近い内容だったのだが、近々、手直しが総入れ替えに近い内容のようで、不満個所を箇条書きに纏めて、メーカーの担当者に突きつけるようにアドバイスした。結果は、上手くかわされたようで、営業言葉に不満も納得させられたよう・・・。このケースは設計というものが、どの時点にも存在しなかったことによって起こっているように思った。大手メーカーがそんな体制で工事を進めたことに疑問を感じる。僕なら金銭保障を含めて不満部分を交渉するところだが、直接には言いにくいかもしれない。しかし、大手メーカー故に施主を手なずける術は出来ているのが良かったとも言えるが・・・。
もう一人は、設計事務所に図面を依頼し、工務店に工事費を見積もってもらったら、家が1軒たつくらいの金額になって、仰天したようで、相談を受けた。元々、チークの無垢材を床壁に使用するなど、相当な金額を思っていたようなので、それなら相見積もり取ったらどうかと提案した。結果は材料支給などで対応したようだが、高コストは変らなかったようだ。完成間近の写真を持ってきていたので見せてもらうと、設計事務所がやりそうなデザインで全体にスッキリと納まっているように見える。しかし、タイル目地がバラバラだとか細かな点でかなり不満はあるようだ。コスト管理や手直し指示とか、どうも、設計事務所の係わり方が見えてこない。設計者は当社の社長の学校の後輩なので、あまり悪口も言えない。
現在のリフォーム事情からしたら、両者は総じて、まあ仕方がないのでは?という程度のトラブルのようだ。しかし、このことが新築のもので起こったら相当に厳しい状況になりそうに思う。
リフォーム業者の半分は「根太(ねた)」を「ねぶと」と読むような者たちが係わっていると、先日ある家具屋さんから聞いた。構造的なものをいじらなければ、大きな事件にはなりにくいので、リフォーム業界には簡単に参入できる業界だ。安くて見栄えのするものが出来れば、それでOK。基本的にはメーカーの煌びやかなショールームに案内し、何も解らないアホな可愛いお嬢さんに説明をさせて、分厚いカタログと記念品など貴重なもののように持って帰ってもらう。客はそんな手続きで夢一杯の世界を構築してしまう。あとは、出来上がりを勝手に想像し、蓋を開けたらアチャ!なのである。不満を言うと、お聞きしてなかったもので・・・と、殊勝に頭を下げるか、または、お客様が選ばれたものですので・・・変更すると・・・費用を頂戴しなくてはなりませんので・・・と言われ、自分が選択したものが悪いような気がしてくる。機能的に問題がなければ、まあ仕方がないかと自分を納得させる。あまりにも短い栄華盛衰の理。おそらく、多くの消費者が泣き寝入りしているように思う。専門家が介在しない世界なのである。いたとしても、ショールームのアホなお嬢さんがインテリアコーディネーターの肩書きをちらつかすくらいで、総合的にコーディネートしてくれない。その構造は皆がアホになる構造なのだ。
そんな甘い、いいかげんな業界に設計事務所の団体はもう少し係わっていくべきではないかと思い、優良業者登録を出来ないものかと、協会に提案してみた。結果は設計と施工は分離すべきだとの理想論をぶたれてしまった。それなら、兼業事務所(ゼネコンの殆ど)はどうなの?と聞くと、無言。死ね!
まあ会長は日本一の大手設計事務所の社長さんなので、庶民の抱えている問題なぞは見えていないのだろう。
設計事務所は社会から必要とされない職能になっていくように思う。
もう、なっているか!

