2005年11月19日

構造計算書偽造事件を想う

今回の事件は経済一辺倒の世の中の情勢を象徴した事件だ。
同様のことは世の中に溢れており、何時でも誰でも巻き込まれてしまう。

当社に置き換えて、構造計算をお願いしている事務所がそんなことに
なったらとおもうとぞーーとする。
一応、設計ミスに対する保険には入ってはいるが・・・。

事件を起こした構造事務所はデベロッパーからの紹介の構造事務所とのこと。
もし、当社がデベから紹介されたら「良いですよ」と了承するように思う。
しかし、設計途中におかしいな?と思って、構造事務所に確認して、返答次第では
紹介したデベと構造事務所の変更で揉めるだろう。
その時、途中で設計担当を降りるとデベに言っても、設計スケジュールの関係で
デベは当社に責任を問ってくるだろう。当然、デベはスケジュールの遅れの事業費
の金利負担を要求してくるのが予想される。
そんな煩わしさを受け入れができるか・・・。
今回の事件の発覚はそんな事情もあるのでは?と思う。
そう思うと、何時でも自分がそんな渦中に巻き込まれる可能性はある。


同様の臭いのする相談を以前に受けた。

資産家のお爺さんにと、一部上場の建設会社の賃貸マンション建設の相談だった。
建設会社の言葉巧みな営業マンを信用し、マンション建設の企画に同意した。
まず企画料が僅かな金額。
企画案には自らの住まいと賃貸部分からの安定した収益表。
しかも、賃貸は建設会社が30年保障してくれるという。
相続対策にもなり、今後の老後は安心したバラ色人生が見えてくる。
説明を聞いて、設計契約を交わす。3日後に分厚い設計図書が持ってこられ
設計が完了したとのことで数千万円の設計料を支払ってしまう。
いよいよ、着工の段階になって子息に事業の話を持ち出し大騒ぎになって私どもに
相談がもちかけられた。

設計図面をみると。確かに土地の形状には建物が納まっている。
基礎の図面をみると、「着工後地盤調査により調整のこと」の一文が見える。
適当な基礎が記入されている。
たった3日でボーリング調査はできないので基礎の設計が出来ないのは
当たり前のことだ。
おそらく、標準的なプランを当該敷地に当てはめ、あらかじめ用意された
図面をはめ込めた結果が設計図書として出来上がったのだろう。
法的には問題はないのかもしれない。
今回のように構造計算の偽造もないのかもしれない。
そういえば、この建設会社の建てた建物は似通っている。
しかし・・・これで良いの?。

建築は、大きな買い物である。
一品生産品として建築主の想いや地域やご近所のことを想いを具現化した資産
として建築されるべきものである。
コンビニで買うようにいとも簡単に購入を決定してしまう。
おそらく、車を購入するほうがよく検討しているだろう。
多くの欠陥建築が生まれる要因はそんな風潮が大きな要素である。

経済だけで語られ、わずかな当然の報酬を人質に専門家の専門性や創造性を
いとも簡単に奪ってしまう業界の慣例が今回の事件が起こったのが直接の原因だろう。
しかも、デベロッパーの支払いは建物の完成後に殆ど支払われるのが慣例のようである。
技術者はいつまでも人質を抱えながら、早期の業務完了をするのである。
そして、悪魔に魂を売り泥沼にはまる。
posted by らまんちゃん at 19:18| 大阪 ????| Comment(2) | TrackBack(0) | 時事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
消費と生産が遠く離れてしまった現代、消費者は生産者を信頼するしかないでしょう。自己防衛策としては、悪い評判のメーカーは避ける、これくらいしか、手はない。三菱の自動車は、買わないとか。
でも、家は困る。マンションは困る。売主が多すぎる。選択の余地があるとも言えるが、信頼度を調べる手段がない。昔なら、大工さんの近所の評判で判断できたけどね。
Posted by まー at 2005年11月24日 18:30
消費と生産が遠く離れてしまった現代、消費者は生産者を信頼するしかないでしょう。自己防衛策としては、悪い評判のメーカーは避ける、これくらいしか、手はない。三菱の自動車は、買わないとか。
でも、家は困る。マンションは困る。売主が多すぎる。選択の余地があるとも言えるが、信頼度を調べる手段がない。昔なら、大工さんの近所の評判で判断できたけどね。
Posted by まー at 2005年11月24日 18:33
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