すごい女性だ。
著者によると、天武、持統、文武と三代に渡り権力の中枢に居座り、自ら即位するためには
甥の大津皇子を天武崩御後即座に処刑、その後、自らの子供の草壁皇子までも殺害に
及んだようである。著者は高松塚古墳は草壁皇子の墓だと類推し、母として殺めた息子を
天上の王としての願いを込め、輪廻回生を願ったとのことだ。
陰陽道を使いこなし、偏執的にも権力に拘泥し、注意深く行動する持統の歪んだ性格も歩んできた人生から生まれたものなのだろうか?
持統天皇は中大兄皇子の二女として血塗られた大化の改心の年に生まれる。
そのことは何か彼女のその後の人生を暗示しているようだ。
実父、中大兄皇子の育った家族は異様なものがあったようで、
母親(皇極、斉明)の異常なまでの偏愛の性格。近親相姦も疑われている。
また、実妹(間人皇女:孝徳天皇皇后)と夫婦同然の生活をし、孝徳天皇を狂死させ、
母親を天皇にたて権力を欲しいままにする。危機に瀕していた我が国の国防上、国内を維持していくには、数少ない身内しかなかったのかもしれない。
そんな中で育った持統が、実父から受けた傷は相当なものだと思われる。
まず、讒言により祖父は凄惨な死を迎え、そのため実母は狂死。
父方の祖母に引き取られたものの、祖母は弟の建皇子、長女の大田皇女を溺愛し、
寂しい幼女として育つ。
そして、大海人皇子と妃として姉とともに嫁がされているのである。
それは、実父が、既に大海人と一女を儲けていた額田王を、我が女とするための取引としての
交換としての婚儀であった。
しかし、婚儀後10年後に、大海人と額田王の思わせぶりな歌が残っていることを思うと
結婚生活は如何なものかとも思われる。しかし、壬申の乱でそんな過去は一蹴される。
実父の死の床で、夫は天智と袂を分かつと共に電光石火、権力奪取に向かう。
権力は異母兄弟の大友皇子(弘文天皇)に移り、大海人を処刑しようと動く。
持統は大海人と共に山深い吉野からの危険な逃避行を敢行し、伊勢で旗揚げ。
壬申の乱である。持統、大海人は運命共同体として一つの方向を向いたのである。
天下分け目の戦いを制し、大海人は勝利し、天武天皇として即位。
新体制は二人で手に入れたもので、内乱をはらむ内政は常に不安要素が付きまとう。
天武・持統の絶対君主制の体制が組まれていく。その為の律令制度も制定される。
その体制は持統にとっては絶対的なものなのだろう。
天武崩御後、甥、実子を殺害してまでもその体制を保持しようとした。
その体制の総仕上げが伊勢神宮ではないのだろうか?
持統天皇即位の年、持統4年(690年)に内宮の第1回遷宮が行われる。
以来、伊勢神宮を永遠のものとして存続させていくシステム(式年遷宮)が
作り出されたのではないのだろうか?
以来、明治になるまで天皇の参詣はなかった。
伊勢神宮は天武・持統のためのものなのかもしれない。
彼女は永遠を手にいれたのかもしれない。
老眼に悩まされて本からはトンと遠ざかっていますが、ぜひ読んでみたいと思います。
因みに、お酒も重くて、辛口が好きで、軽くてフルーティーなのは苦手です。
ひょっとしたら全集のほうが面白いかもしれないです。但し、全10巻以上あります。
僕は水より「水」らしいお酒が好きです。
それと、にごり酒のフルーティーさも好きです。
スコッチは、なぜかラフロイグのような重いものが好きです。
お茶は当然ピカードと同じくアールグレイです。